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「聴く」の本質に挑んだ10ヶ月。産業カウンセラー取得に向けた学び_地蔵
産業カウンセラーの養成講座を受講し、学科試験、実技試験と長い道のりを経て「産業カウンセラー」の資格を取得しました。
今回は、産業カウンセラーを学ぼうと思ったきっかけから、合格に至るまでの苦労についてお話しします。
「アドバイス」ではなく「聴く」こと
日々の業務の中でお客様と接し、私はある大きな壁にぶつかっていました。
それは「相手の話を本当の意味で『聴く』ことの難しさ」です。
自分ではしっかり耳を傾けているつもりでも、気づけば相手の話の途中で自分の意見を挟んでしまったり、良かれと思ってアドバイスを出してしまったり。
「自分の話したいことを一方的に伝えるだけでは、お客様の真のニーズや想いを汲み取ることはできない」と痛感したのが、資格挑戦のきっかけでした。
人の話を本当の意味で「受け止める」技術を身につけ、仕事でのコミュニケーションを根本から見直し、成長したい。
その想いから、傾聴について学べる「産業カウンセラー」の資格取得への挑戦を決意しました。
徹底的な「自己観察」と向き合った養成講座、そして試練の実技試験
産業カウンセラーの受験資格を得るためには、約10ヶ月間にわたる養成講座の受講が必要です。
月に2〜3回、平日は通常業務をこなし、土曜日は終日講座に通う生活が始まりました。仕事と学びの両立は想像以上にハードで、出される課題やイーランニングの量にも圧倒される日々。
講座の中心は、受講生同士でクライエント役とカウンセラー役を務めるロールプレイング形式の体験学習です。
指導者の厳しいまなざしのもと、実際の対話を重ねていきます。
その中でも最も苦労したのが「逐語記録」の作成でした。
ロールプレイングでの自分の会話音声を録音し、それを「えー」「あー」といった言い淀みも含めてすべて文字起こししていきます。
何度も何度も自分の声を聴き返す作業は、気恥ずかしさと気まずさの連続でした。
自分が無意識に相手の発言を遮っていたり、安易な返答をしていたりする癖が客観的な数字や文字として突きつけられ、自分自身の未熟さと向き合う過酷な時間となりました。
そうして迎えた本試験。
学科試験には一発で合格したものの、実技試験は不合格でした。
一緒に講座を乗り越えた仲間の中には実技免除(講座での評価が高く試験の一部が免除される仕組み)になる人もいたため、不合格を知った時は本当に落ち込み、悔しさに打ちのめされました。
しかし、この挫折こそが大きな転機となります。
「なぜ落ちたのか」「本当の傾聴とは何か」をひたすら深く考え抜く機会を得られたからです。
2回目の実技試験に向けては、あえて「頭で考えすぎない・対策しすぎない」ことを意識しました。
その代わり、日々の仕事での電話対応を実践の場と捉え、目の前のお客様の声に集中して「真摯に聴く」トレーニングを積み重ねました。
その結果、2回目の試験で見事合格を果たすことができました。
あの時ストレートで合格していたら得られなかった深い学びと気づきが、不合格という遠回りの中に詰まっていたと感じています。

「傾聴」は一生磨き続ける技術
産業カウンセラーの勉強を通して実感したのは、「机上の空論と実践はまったく別物である」ということです。
例えば「相槌」ひとつを取っても、深く頷くことで相手の感情に寄り添うこともあれば、相手の発話を遮らないためにあえて小さく頷く、あるいは「はい」と声を添えてしっかり受け止めていることを伝えるなど、状況に応じた多様な表現があります。
「傾聴」は、テキストを読んで頭で理解するだけでは決して身につきません。
私のように「つい自分から言葉を打ち返してしまうタイプ」の人間は、実際に身体を動かし、失敗し、実践を重ねて初めて感覚が掴めるものだと知りました。
そして、どれだけ技術を身につけても、日常的に磨き続けなければ「聴く力」はすぐに落ちてしまいます。
この10ヶ月で得た最大の財産は、資格そのもの以上に「相手の言葉の背景にある想いまで聴こうとする姿勢」です。
これからも日々の業務の中で傾聴の技術を磨き続け、お客様や社内のメンバーから深く信頼される存在を目指していきます。
